2026年版・4-8

アルコール類と水溶性液体の一問一答

危険物乙4「危険物の性質・火災予防・消火」から、アルコール類と水溶性液体に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-8

消防法上の「アルコール類」に該当しないものはどれか。

  • メタノール(メチルアルコール)
  • イソプロピルアルコール
  • エタノール(エチルアルコール)
  • エチレングリコール
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正解 エチレングリコール
解説

消防法上のアルコール類とは、1分子を構成する炭素原子の数が1個から3個までの飽和1価アルコール(変性アルコールを含む)をいいます。該当するのは次の4つです。
・メタノール(炭素1個)
・エタノール(炭素2個)
・n-プロピルアルコール(炭素3個)
・イソプロピルアルコール(炭素3個)
エチレングリコールは炭素数2ですが、ヒドロキシ基(-OH)を2つ持つ2価アルコールであるため定義から外れ、第3石油類の水溶性液体に分類されます。同様にグリセリンは3価アルコールで第3石油類です。

【試験の罠】
「アルコールという名前がついていればアルコール類」ではありません。炭素数(1〜3)と1価であることの2つの条件を両方満たす必要があります。ブチルアルコール(炭素4個)も第2石油類となり、アルコール類には含まれません。
問24-8

メタノールとエタノールの引火点および沸点のおよその値として、正しいものはどれか。

  • メタノールの引火点は約11度、沸点は約64度であるとされる
  • メタノールの引火点は約70℃、沸点は約150℃である
  • エタノールの引火点は約マイナス40℃、沸点は約35℃である
  • エタノールの引火点は約100℃、沸点は約200℃である
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正解 メタノールの引火点は約11度、沸点は約64度であるとされる
解説

アルコール類の代表2つの数値は次のとおりです。
・メタノール…引火点 約11℃/沸点 約64℃/比重 約0.8/蒸気比重 約1.1
・エタノール…引火点 約13℃/沸点 約78℃/比重 約0.8/蒸気比重 約1.6
いずれも引火点が常温(20℃)より低いため、通常の室温でも引火する危険があります。これはガソリンと同様に注意を要する点です。
なおガソリンの引火点はマイナス40℃以下、ジエチルエーテルの沸点は約35℃であり、選択肢の数値はこれらのものです。

【試験の罠】
メタノールとエタノールの引火点は約11℃と約13℃で非常に近く、いずれも常温以下です。「アルコールは酒に使われるから安全」という感覚は誤りで、消防法上はどちらも指定数量400Lの危険物です。
問34-8

水溶性の第4類危険物の火災に用いる「耐アルコール泡(水溶性液体用泡消火剤)」に関する記述として、正しいものはどれか。

  • 泡が水を含まない構造のため、水溶性液体の火災に使用できる
  • 泡ではなく粉末を用いるため、水に溶ける液体にも適応する
  • 泡の表面に被膜を作り、水分を奪われにくくした消火剤である
  • 水溶性液体を大量の水で薄め、濃度を下げて消火する薬剤である
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正解 泡の表面に被膜を作り、水分を奪われにくくした消火剤である
解説

アルコール、アセトン、氷酢酸などの水溶性液体の火災に通常の泡消火剤を使うと、液体が泡に含まれる水分を吸い取ってしまい、泡が急速に壊れて油面を覆えません。そのため窒息効果が得られず消火できません。
そこで用いられるのが耐アルコール泡(水溶性液体用泡消火剤)です。これは泡と液面の境目に高分子の被膜を作り、水分が液体側に吸い取られるのを防ぐことで泡の膜を維持します。
水溶性の第4類危険物を貯蔵・取り扱う施設では、この耐アルコール泡を備えることが実務上重要になります。

【試験の罠】
「泡が水を含まない」わけではありません。泡はもともと水を主体としており、その水を守る工夫がされている点が本質です。また希釈消火は、火災時に必要な水量が現実的でないため、実際の消火法としては採用されません。
問44-8

アルコール類の指定数量と、その特徴に関する記述として、正しいものはどれか。

  • 指定数量は400Lで、水溶性の第1石油類と同じ数量である
  • 指定数量は200Lで、非水溶性の第1石油類と同じ数量である
  • 指定数量は2,000Lで、水溶性の第2石油類と同じ数量である
  • 指定数量は50Lで、特殊引火物と同じ数量に定められている
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正解 指定数量は400Lで、水溶性の第1石油類と同じ数量である
解説

第4類危険物では、水溶性の液体は非水溶性の液体に比べて指定数量が2倍に設定されています。これは水溶性のほうが水で薄めることができるなど、相対的に危険性がやや低いとみなされるためです。
アルコール類は独立した品名ですが、指定数量は400Lで、アセトンなど第1石油類(水溶性)と同じ値になっています。
なおアルコール類には「水溶性・非水溶性」の区分がなく、一律400Lである点も特徴です。

【試験の罠】
アルコール類は引火点が11〜23℃程度と第1石油類に近い危険性を持ちますが、非水溶性の第1石油類(ガソリン等)の200Lではなく400Lです。品名ごとの指定数量は毎回のように出題されるため、確実に暗記してください。
問54-8

メタノールの危険性に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • 毒性が強く、誤って飲むと失明や死亡に至るおそれがあるもの
  • エタノールと違って毒性はなく、飲用しても人体に無害である
  • 水に溶けないため、漏えいしても水面に浮いて回収が容易である
  • 引火点が70℃以上と高いため、常温では引火する危険はない
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正解 毒性が強く、誤って飲むと失明や死亡に至るおそれがあるもの
解説

メタノールは体内で代謝されてホルムアルデヒドやギ酸に変化し、視神経を侵します。少量の誤飲でも失明の危険があり、量が多ければ死亡します。蒸気の吸入や皮膚からの吸収でも中毒を起こすため、取り扱い時は換気と保護具が必要です。
これに対しエタノールは酒類の主成分であり、メタノールほどの急性毒性はありません。ただし工業用エタノールには飲用防止のために毒性物質を加えた「変性アルコール」があり、これも消防法上はアルコール類に含まれます。

【試験の罠】
メタノールは水によく溶ける水溶性液体であり、引火点は約11℃と常温以下です。「水に溶けない」「引火点が高い」はいずれも誤りで、常温で引火し、しかも猛毒という二重の危険を持つ物質です。
問64-8

アルコール類の燃焼に関する記述として、正しいものはどれか。

  • 燃焼しても炎はまったく発生せず、表面が赤熱するだけである
  • 炎の色が淡く見えにくいため、燃焼に気づきにくいことがある
  • 燃焼すると必ず黒煙を大量に発生し、遠くからでもよく見える
  • 分子内に酸素を含むため、酸素を断っても燃焼が継続する
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正解 炎の色が淡く見えにくいため、燃焼に気づきにくいことがある
解説

メタノールやエタノールは分子内に酸素原子を持つため比較的完全燃焼しやすく、すす(炭素の微粒子)がほとんど出ません。すすが赤熱することで明るいオレンジ色の炎になるので、すすが出ないアルコールの炎は淡い青色となり、明るい場所ではほとんど見えないことがあります。
そのため、燃えているのに気づかず接近して火傷を負う事故が起こりえます。
一方、ベンゼンやトルエンなど炭素の割合が高い芳香族は不完全燃焼しやすく、多量の黒煙とすすを発生します。

【試験の罠】
「分子内に酸素を含むから窒息消火が効かない」のは第5類危険物(自己反応性物質)の話です。アルコール類は分子内に酸素を持ちますが、それだけで燃焼が継続するわけではなく、耐アルコール泡や粉末による消火が有効です。
問74-8

水溶性の第4類危険物にあたる物質だけを集めた組み合わせとして、正しいものはどれか。

  • ガソリン、トルエン、クロロベンゼン
  • メタノール、アセトン、グリセリン
  • ベンゼン、二硫化炭素、クレオソート油
  • 灯油、軽油、キシレンおよび重油
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正解 メタノール、アセトン、グリセリン
解説

第4類危険物のうち代表的な水溶性液体は次のとおりです。
・アルコール類…メタノール、エタノール、プロピルアルコール
・第1石油類(水溶性)…アセトン、ピリジン
・第2石油類(水溶性)…氷酢酸、アクリル酸
・第3石油類(水溶性)…グリセリン、エチレングリコール
・特殊引火物…アセトアルデヒド、酸化プロピレン
これらの火災では通常の泡消火剤が破壊されるため、耐アルコール泡を使用する必要があります。

【試験の罠】
ガソリン、トルエン、ベンゼン、キシレン、灯油、軽油、重油、二硫化炭素、クロロベンゼン、クレオソート油はいずれも非水溶性です。「水に溶けるかどうか」は消火剤の選定に直結するため、物質ごとに整理して覚える必要があります。
問84-8

水溶性液体である氷酢酸(第2石油類)の性質に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • 水によく溶け、水溶液は酸性を示す性質がある
  • 皮膚に触れると火傷のような損傷を起こすことがある
  • 低温では凝固して氷のような固体になることがある
  • 非水溶性であるため、通常の泡消火剤が有効である
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正解 非水溶性であるため、通常の泡消火剤が有効である
解説

氷酢酸は酢酸のうち水分をほとんど含まない高純度のもので、第2石油類(水溶性)に分類されます。指定数量は2,000Lです。主な性質は次のとおりです。
1. カルボキシ基(-COOH)を持つカルボン酸で、水溶液は酸性を示す
2. 水にどのような割合でも溶ける
3. 融点が約17℃で、冬季など低温では白い結晶状に凝固する(これが「氷」酢酸の名の由来)
4. 腐食性が強く、皮膚や粘膜を侵す。金属も腐食させる
火災の際は耐アルコール泡、粉末、二酸化炭素消火剤を用います。

【試験の罠】
「酢酸だから食酢と同じで安全」ではありません。氷酢酸は高濃度で腐食性が強く、引火点も約39℃と第2石油類の中では低い部類です。水溶性である点を見落として通常の泡を選ばないよう注意してください。
問94-8

アルコール類の蒸気に関する記述として、正しいものはどれか。

  • 蒸気比重は1より小さく、蒸気は天井付近に集まる
  • 蒸気比重は1より大きく、蒸気は低い場所に滞留する
  • 蒸気は水に溶けるため、空気中に拡散することはない
  • 蒸気は無臭かつ不燃性で、吸入しても人体に影響がない
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正解 蒸気比重は1より大きく、蒸気は低い場所に滞留する
解説

蒸気比重は「分子量 ÷ 29(空気の平均分子量)」で計算されます。
・メタノール(分子量32)…32÷29=約1.1
・エタノール(分子量46)…46÷29=約1.6
いずれも1より大きいため空気より重く、床面やくぼみ、ピットなどに滞留します。滞留した蒸気が離れた場所の火源に達して引火し、火が戻ってくる危険があるため、換気は低い位置から行う必要があります。
ただしメタノールの1.1は第4類の中では最も1に近く、比較的拡散しやすい部類です。

【試験の罠】
「アルコールは軽いから蒸気も軽い」は誤りです。液比重(約0.8、水より軽い)と蒸気比重(1より大きい、空気より重い)は別物であり、この2つの混同は頻出のひっかけです。
問104-8

水溶性液体の火災に対する消火方法として、最も不適切なものはどれか。

  • 耐アルコール泡消火剤を放射し、液面を覆って窒息消火する
  • 粉末消火剤を放射し、抑制作用によって燃焼を止める
  • 二酸化炭素消火剤を用いて、酸素濃度を下げて消火する
  • 通常のたん白泡消火剤を放射し、液面を覆って消火する
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正解 通常のたん白泡消火剤を放射し、液面を覆って消火する
解説

たん白泡や合成界面活性剤泡などの一般的な泡消火剤は、泡の膜が水でできています。アルコールやアセトンなどの水溶性液体に触れると、液体側が泡の水分を吸い取ってしまうため泡が急速に消えてしまい、液面を覆い続けることができません。その結果、窒息効果が得られず消火に失敗します。
したがって水溶性液体の火災には、耐アルコール泡(水溶性液体用泡消火剤)、粉末消火剤、二酸化炭素消火剤などを用います。

【試験の罠】
「泡を大量にかければ足りる」というのは誤りで、量の問題ではなく泡が壊れるという性質の問題です。水溶性かどうかを見分けたうえで消火剤を選ぶ、という判断が実務でも試験でも問われます。
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