2026年版・4-7

動植物油と自然発火の一問一答

危険物乙4「危険物の性質・火災予防・消火」から、動植物油と自然発火に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-7

消防法上の「動植物油類」の定義に関する記述として、正しいものはどれか。

  • 動物の脂肉や植物の種子から抽出した油で、引火点が250度未満の油
  • 動物の脂肉や植物の種子から抽出した油で、引火点が70℃未満のもの
  • 植物から抽出した油のみをいい、動物由来の油は含まれない
  • 食用として使用できる油に限られ、工業用の油は含まれない
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正解 動物の脂肉や植物の種子から抽出した油で、引火点が250度未満の油
解説

動植物油類は第4類危険物の品名の1つで、指定数量は10,000リットルと第4類の中で最も大きく設定されています。引火点が高く常温では引火しないためです。
ただし引火点が250℃以上のものは危険物に該当しません。また、法令で定める要件を満たしてタンクなどに貯蔵されているものは、危険物から除外される場合があります。
代表的なものにアマニ油、キリ油、ヤシ油、オリーブ油、なたね油などがあります。

【試験の罠】
引火点の基準「250℃未満」は第4石油類の上限(200℃以上250℃未満)と接している点に注意してください。また動物由来・植物由来のいずれも含まれ、食用に限られるわけでもありません。
問24-7

動植物油類を分類する基準となる「ヨウ素価」に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ヨウ素価が高い油ほど不飽和結合が多く、自然発火しやすい
  • ヨウ素価が高い油ほど不飽和結合が少なく、酸化しにくい
  • ヨウ素価とは、油100gに溶けるヨウ素の重さを示す数値である
  • ヨウ素価は油の引火点の高さを表しており、高いほど安全である
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正解 ヨウ素価が高い油ほど不飽和結合が多く、自然発火しやすい
解説

ヨウ素価とは、油脂100gに付加(吸収)されるヨウ素のグラム数を表した数値です。ヨウ素は炭素間の二重結合に付加するため、ヨウ素価が高い=二重結合が多い=空気中の酸素と結びつきやすい、ということになります。
分類は次のとおりです。
・乾性油…ヨウ素価130以上(アマニ油、キリ油など)
・半乾性油…ヨウ素価100以上130未満(なたね油、大豆油、綿実油など)
・不乾性油…ヨウ素価100未満(オリーブ油、ヤシ油、ツバキ油など)
ヨウ素価が高い乾性油ほど酸化熱を発生しやすく、自然発火の危険が大きくなります。

【試験の罠】
ヨウ素価は引火点とは無関係の指標です。また「溶ける」ではなく「付加する(結合する)」量である点、そして数値が高いほど危険という方向性を取り違えないよう注意してください。
問34-7

乾性油と不乾性油に該当する油の組み合わせとして、正しいものはどれか。

  • 乾性油 ―― ヤシ油 / 不乾性油 ―― アマニ油
  • 乾性油 ―― アマニ油 / 不乾性油 ―― ヤシ油
  • 乾性油 ―― オリーブ油 / 不乾性油 ―― キリ油
  • 乾性油 ―― 大豆油 / 不乾性油 ―― なたね油
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正解 乾性油 ―― アマニ油 / 不乾性油 ―― ヤシ油
解説

ヨウ素価による分類の代表例は次のとおりです。
・乾性油(ヨウ素価130以上)…アマニ油、キリ油、えごま油。空気中に薄く広げると酸化して固まる(乾く)性質があり、塗料や油性ペイントの原料になります。自然発火の危険が最も高いグループです。
・半乾性油(100以上130未満)…なたね油、大豆油、綿実油、ごま油。
・不乾性油(100未満)…ヤシ油、オリーブ油、ツバキ油、ひまし油。酸化しにくく固まりません。

【試験の罠】
アマニ油とキリ油は乾性油の代表として頻出、ヤシ油とオリーブ油は不乾性油の代表として頻出です。この4つを逆にした選択肢が定番のひっかけです。なお大豆油となたね油はどちらも半乾性油であり、乾性油と不乾性油の組み合わせにはなりません。
問44-7

動植物油類が自然発火に至るメカニズムとして、最も適切なものはどれか。

  • 油自体が分解して酸素を放出し、内部から燃焼を始めるため
  • 油が空気中の酸素と結合して酸化熱を生じ、それが蓄積するため
  • 油が水分を吸収して発熱し、その熱が蒸発熱として蓄積するため
  • 油が直射日光を吸収して高温になり、そのまま沸騰を始めるため
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正解 油が空気中の酸素と結合して酸化熱を生じ、それが蓄積するため
解説

乾性油には炭素間の二重結合(不飽和結合)が多く含まれています。この部分は常温でも空気中の酸素とゆっくり結びつき、その際に熱(酸化熱)を発生します。
ぼろ布やウエス、おがくずなどにしみ込んだ状態では、油が薄い膜となって空気と接する表面積が非常に大きくなるため酸化が加速します。さらにそれが山積みされていると熱が逃げられず内部に蓄積し、やがて発火点に達して自然に燃え出します。
これは点火源がまったくなくても起こるため、火気管理だけでは防げない点が重要です。

【試験の罠】
「分子内に酸素を含み内部燃焼する」のは第5類危険物の特徴であり、動植物油類ではありません。また水分の吸収や日光による加熱が主因ではなく、あくまで酸化熱の蓄積が原因です。
問54-7

動植物油類の一般的な性質に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • 一般に水には溶けにくく、比重は1より小さく水に浮く
  • 引火点は高いため、常温では引火する危険性は少ない
  • 一度燃え上がると液温が高くなり、消火は容易ではない
  • ヨウ素価に関わらず、自然発火の危険性は同程度である
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正解 ヨウ素価に関わらず、自然発火の危険性は同程度である
解説

動植物油類の一般的性質は次のとおりです。
1. 引火点が高い(250℃未満だが、多くは200℃を超える)ため常温では引火しにくい
2. 揮発性が低く、常温での蒸気発生量はごくわずか
3. 水に溶けず、比重は約0.9前後で1より小さく水に浮く
4. 加熱されて引火点以上になれば当然引火し、燃焼時の液温が高いため消火が難しい
5. ヨウ素価130以上の乾性油(アマニ油等)は酸化熱がこもりやすく自然発火の危険が大きいのに対し、ヨウ素価100未満の不乾性油(ヤシ油等)は酸化されにくく自然発火の危険は小さい
常温での引火危険は小さい一方、乾性油ほど自然発火という別の危険が大きくなる点が動植物油類の特徴です。

【試験の罠】
「動植物油類はすべて同じように危険(または安全)」と一括りにしてはいけません。ヨウ素価が高いほど自然発火しやすいという相対的な違いを正確に押さえましょう。比重が1より小さいため水に浮き、注水消火は火面を広げる危険がある点も重要です。
問64-7

動植物油類の火災における消火方法として、最も不適切なものはどれか。

  • 泡消火剤を放射し、油面を覆って窒息消火を行うとされている
  • 粉末消火剤を放射して、燃焼の連鎖反応を抑制する
  • 棒状の水を勢いよく大量に放射し、燃焼中の油の温度を下げる
  • 乾燥砂などを用いて、燃焼面を覆い酸素を遮断する
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正解 棒状の水を勢いよく大量に放射し、燃焼中の油の温度を下げる
解説

動植物油類は水に溶けず、比重が1より小さいため水に浮きます。そこへ棒状の水を勢いよく注ぐと、燃えている油が水の上に浮いて流れ出し、火災が周囲に拡大します。
さらに、燃焼中の油の液温は水の沸点100℃をはるかに超えているため、注入された水が一瞬で沸騰して爆発的に膨張し、燃えた油を周囲に飛散させます(突沸・スロップオーバー)。てんぷら油火災に水をかけてはならないのはこのためです。
適切な消火は、泡・粉末・二酸化炭素消火剤や乾燥砂による窒息消火、および霧状の強化液です。

【試験の罠】
第4類危険物の火災はすべてB火災(油火災)として扱われ、棒状注水は禁物です。「大量にかければ冷える」という発想は、動植物油類でも他の石油類でも誤りになります。
問74-7

動植物油類の指定数量として、正しいものはどれか。

  • 2,000 リットル
  • 6,000 リットル
  • 10,000 リットル
  • 400 リットル
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正解 10,000 リットル
解説

第4類危険物の指定数量は、危険性が高い(引火点が低い)ものほど小さく設定されています。整理すると次のとおりです。
・特殊引火物…50L
・第1石油類…非水溶性200L/水溶性400L
・アルコール類…400L
・第2石油類…非水溶性1,000L/水溶性2,000L
・第3石油類…非水溶性2,000L/水溶性4,000L
・第4石油類…6,000L
・動植物油類…10,000L
動植物油類は引火点が高く常温での引火危険が小さいため、第4類の中で最も大きい10,000Lとなっています。

【試験の罠】
第4石油類の6,000Lと混同しやすい点に注意してください。指定数量は「引火点が低いほど小さい」という順序で並んでいるため、品名の並び順とセットで覚えると確実です。
問84-7

油がしみ込んだ布(ウエス)の取り扱いとして、最も適切なものはどれか。

  • 使用後は丸めてまとめ、段ボール箱に入れて保管しておく
  • 使用後は水に浸すか、ふた付きの金属容器に入れて処分する
  • 使用後はそのまま床に山積みにし、翌日まとめて処分する
  • 使用後は毛布や布で包み、外気に触れないよう保温しておく
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正解 使用後は水に浸すか、ふた付きの金属容器に入れて処分する
解説

油のしみ込んだ布は、油が薄膜状に広がって空気との接触面積が極めて大きくなるため酸化熱が発生しやすく、自然発火の代表的な原因になります。
適切な措置は次のとおりです。
1. 水に浸して酸素との接触を断つ
2. ふた付きの金属製(不燃性)容器に入れて密閉し、酸素の供給を絶つ
3. 通風のよい場所で1枚ずつ広げて乾燥させ、熱を放散させる
4. ためこまず、その日のうちに適正に廃棄する

【試験の罠】
段ボール箱は可燃物であり、しかも断熱性があるため熱がこもります。丸める・山積みにする・保温するといった行為はすべて蓄熱を招き、自然発火を促進する最悪の対応です。「熱を逃がすか、酸素を断つか」で判断してください。
問94-7

動植物油類を貯蔵・取り扱う場所の火災予防上の措置として、誤っているものはどれか。

  • 直射日光や暖房設備などの熱源からは離して保管しておくこと
  • 貯蔵場所は通風・換気を良好に保ち、熱の蓄積を防ぐこと
  • 容器のふたは確実に締めて、空気との接触を少なくすること
  • 引火点が高く安全なので、他の可燃物と同じ場所に山積みする
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正解 引火点が高く安全なので、他の可燃物と同じ場所に山積みする
解説

動植物油類は常温では引火しにくいものの、乾性油を中心に自然発火という固有の危険を持ちます。そのため火災予防上は次の措置が必要です。
1. 熱源・直射日光を避け、涼しい場所で保管する
2. 通風・換気をよくして熱を蓄積させない
3. 容器を密栓し、空気(酸素)との接触を減らす
4. 布類・木くずなど熱をためやすい可燃物と一緒に置かない
5. 漏れた油はただちにふき取り、そのウエスも適正に処分する

【試験の罠】
「引火点が高いから安全」という理由付けは、動植物油類では通用しません。点火源がなくても発火しうるという点が、他の第4類危険物と決定的に異なる特徴です。
問104-7

動植物油類とその危険性に関する記述として、正しいものはどれか。

  • 不乾性油であっても、乾性油と同程度に自然発火の危険が大きい
  • 自然発火は点火源がなくても起こるため、火気管理だけでは防げない
  • 動植物油類は水溶性なので、大量注水による希釈消火が有効である
  • 動植物油類が燃焼したとしても、液温は水の沸点より低いままである
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正解 自然発火は点火源がなくても起こるため、火気管理だけでは防げない
解説

通常の引火性液体の火災予防は「点火源を断つ」ことが中心ですが、動植物油類の自然発火は物質自身の酸化熱によって起こるため、火気を完全に排除しても発生します。したがって防止策は、酸化を抑えること(密栓・遮光・低温保管)と、熱を蓄積させないこと(通風・薄く広げる・山積みにしない)に向けられます。
実際、油を扱った工場や飲食店で、使用済みのウエスや厨房のダクト内に付着した油から出火する事例が報告されています。

【試験の罠】
ヨウ素価が低い不乾性油(ヤシ油、オリーブ油など)は酸化しにくく、自然発火の危険は相対的に小さくなります。また動植物油類は水に溶けず比重も1より小さいため、希釈消火は成立しません。燃焼中の液温は水の沸点をはるかに超えます。
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