2026年版・3-9

有機化合物と第4類の性質の一問一答

危険物乙4「基礎的な物理学及び基礎的な化学」から、有機化合物と第4類の性質に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-9

有機化合物における官能基(かんのうき)と、それを持つ化合物の分類の組み合わせとして、正しいものはどれか。

  • ヒドロキシ基(-OH) ―― カルボン酸に分類される
  • カルボキシ基(-COOH) ―― アルコールに分類される
  • カルボキシ基(-COOH) ―― カルボン酸に分類される
  • アルデヒド基(-CHO) ―― エステルに分類される化合物
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正解 カルボキシ基(-COOH) ―― カルボン酸に分類される
解説

官能基とは、有機化合物の性質を決定づける特有の原子団のことです。乙4で押さえるべき対応は次のとおりです。
・ヒドロキシ基(-OH)…アルコール(メタノール、エタノールなど)
・カルボキシ基(-COOH)…カルボン酸(酢酸=氷酢酸など)
・アルデヒド基(-CHO)…アルデヒド(アセトアルデヒドなど)
・カルボニル基(>C=O)…ケトン(アセトンなど)
官能基が同じであれば、水への溶けやすさや反応性など似た性質を示します。

【試験の罠】
官能基と分類名を入れ替えた組み合わせ問題が典型です。「-OHならアルコール」「-COOHならカルボン酸(酸性を示す)」という対応を確実に覚えてください。氷酢酸が水溶性で酸性を示すのは、カルボキシ基を持つためです。
問23-9

エタノールを酸化していったときに生成する物質の順序として、正しいものはどれか。

  • エタノール → 酢酸 → アセトアルデヒド の順に変化する
  • エタノール → アセトアルデヒド → 酢酸 の順に変化していく
  • エタノール → アセトン → 酢酸エチル の順に変化していく
  • エタノール → メタノール → ホルムアルデヒド の順に変化する
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正解 エタノール → アセトアルデヒド → 酢酸 の順に変化していく
解説

第一級アルコールは、酸化されるとまずアルデヒドになり、さらに酸化されるとカルボン酸になります。
エタノール(C2H5OH)→ アセトアルデヒド(CH3CHO)→ 酢酸(CH3COOH)
この関係は乙4で扱う物質同士がきれいにつながっており重要です。エタノールはアルコール類、アセトアルデヒドは特殊引火物、酢酸(氷酢酸)は第2石油類の水溶性液体で、いずれも第4類危険物です。
お酒を飲んだ後に体内でアセトアルデヒドが生じて二日酔いの原因となり、最終的に酢酸に分解されるのも同じ反応です。

【試験の罠】
順序を逆にした「酢酸→アセトアルデヒド」は誤りです。酸化が進むほど酸素が増える方向(アルコール→アルデヒド→カルボン酸)に進むと覚えてください。エタノールがメタノールに変化することはありません。
問33-9

炭化水素の分類に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ベンゼンやトルエンは、鎖状構造をもつ脂肪族炭化水素である
  • 炭素間に二重結合や三重結合を含むものを飽和炭化水素という
  • 炭素間がすべて単結合のものを飽和炭化水素(アルカン)という
  • 炭化水素とは、炭素・水素に加えて酸素を必ず含む化合物である
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正解 炭素間がすべて単結合のものを飽和炭化水素(アルカン)という
解説

炭化水素とは、炭素(C)と水素(H)だけからできた化合物です。分類は次のとおりです。
・飽和炭化水素(アルカン)…炭素間がすべて単結合。メタン、プロパン、ヘキサンなど。比較的安定。
・不飽和炭化水素…炭素間に二重結合(アルケン)や三重結合(アルキン)を含む。反応性が高い。
・芳香族炭化水素…ベンゼン環を持つもの。ベンゼン、トルエン、キシレンなど。
ガソリン、灯油、軽油はいずれも各種炭化水素の混合物であり、単一物質ではありません。

【試験の罠】
ベンゼンやトルエンは環状の芳香族であり、脂肪族(鎖状)ではありません。また「飽和」とは水素で満たされて二重結合を持たない状態を指すので、二重結合を含むものを飽和と呼ぶのは誤りです。炭化水素に酸素は含まれません。
問43-9

同じ炭化水素の系列(同族列)において、分子中の炭素数が増加した場合の性質の変化として、正しいものはどれか。

  • 沸点は低くなり、引火点も低くなって危険性が高まっていく
  • 沸点は高くなるが、引火点は逆に低くなる傾向を示していく
  • 沸点も引火点も炭素数とは無関係で、まったく変化しない
  • 沸点は高くなり、引火点も高くなり蒸発しにくくなっていく
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正解 沸点は高くなり、引火点も高くなり蒸発しにくくなっていく
解説

分子が大きくなるほど分子間に働く力が強くなり、蒸発するのに大きなエネルギーが必要になります。そのため炭素数が増えると沸点が上がり、常温での蒸気の発生量が減るため、引火点も高くなります。
石油製品はこの原理で分留されており、炭素数の少ない順に次のように並びます。
ガソリン(第1石油類・引火点マイナス40℃以下)→ 灯油・軽油(第2石油類・引火点21℃以上70℃未満)→ 重油(第3石油類・引火点70℃以上200℃未満)→ ギヤー油等(第4石油類・引火点200℃以上250℃未満)

【試験の罠】
「引火点が高い=安全」ではありません。第3・第4石油類は常温では引火しませんが、加熱されて引火点以上になれば同様に危険です。また一度燃え出すと液温が高く、消火が困難になります。
問53-9

第4類危険物の多くが電気の不良導体であることによって生じる危険性として、最も適切なものはどれか。

  • 静電気が蓄積しやすく、その放電火花が点火源となりやすいこと
  • 電流が流れないため、火災が起きても消火作業が容易になること
  • 電気を通さないため、通電中の電気設備がすぐに発熱すること
  • 電気分解が進行して、可燃性の水素ガスを大量に発生すること
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正解 静電気が蓄積しやすく、その放電火花が点火源となりやすいこと
解説

ガソリン、灯油、軽油、ベンゼンなど非水溶性の第4類危険物の多くは電気の不良導体(絶縁体)です。配管内を流れたり容器に注入されたりする際の摩擦で静電気が発生しても、電気が大地に逃げていかないため液体や設備に蓄積します。蓄積した電荷が限界を超えると放電が起こり、その火花が周囲の可燃性蒸気に着火します。
これを防ぐため、次の対策がとられます。
1. 容器・配管の接地(アース)
2. 注入時の流速を遅くする
3. 湿度を高く保つ
4. 導電性の高い材料や帯電防止服の使用

【試験の罠】
不良導体だから安全、という発想は逆です。むしろ電気を逃がせないことが危険の原因になります。なお第4類危険物の火災で電気分解により水素が発生するという事実はありません。
問63-9

有機化合物の一般的な性質として、誤っているものはどれか。

  • 多くは水に溶けにくく、有機溶剤にはよく溶ける
  • 多くは分子からなり、水溶液にしても電気を通しにくい
  • 多くは可燃性であり、燃焼すると二酸化炭素と水を生じる
  • 多くは融点や沸点が高く、加熱しても分解することはない
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正解 多くは融点や沸点が高く、加熱しても分解することはない
解説

有機化合物の一般的な性質は次のとおりです。
1. 炭素を骨格とし、可燃性のものが多い(燃えるとCO2とH2Oを生じる)
2. 融点・沸点が低いものが多く、加熱すると焦げたり分解したりする
3. 水に溶けにくいものが多く、有機溶剤(アルコール、ベンゼン等)には溶けやすい
4. 分子からできており、電気を通しにくい(非電解質が多い)
無機化合物である食塩などがイオンからできていて水に溶け電気をよく通すのとは対照的です。

【試験の罠】
アルコール類、アセトン、氷酢酸、グリセリンなどは有機化合物でありながら水によく溶けます。「有機=すべて水に溶けない」と決めつけると水溶性液体の問題で失点します。あくまで「多くは」という傾向の話です。
問73-9

異性体(いせいたい)に関する記述として、正しいものはどれか。

  • 分子式が同じで構造が異なるため、性質も異なる化合物どうし
  • 分子式が異なるが、性質がまったく同一である化合物どうし
  • 同じ元素の単体で、原子の結合の仕方が異なるものどうし
  • 分子式も構造も同じで、名称だけが異なる化合物どうしのこと
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正解 分子式が同じで構造が異なるため、性質も異なる化合物どうし
解説

異性体とは、分子式(原子の種類と数)は同じでありながら、原子のつながり方(構造)が異なる化合物どうしのことです。構造が違えば沸点・引火点・水への溶けやすさなどの性質も異なります。
例えばエタノール(C2H6O)とジメチルエーテル(C2H6O)は同じ分子式ですが、前者は引火点約13℃の液体で水に溶けるアルコール、後者は常温で気体という具合に、性質が大きく異なります。
また、n-プロピルアルコールとイソプロピルアルコール(いずれもC3H8O)も異性体の関係にあり、どちらも消防法上のアルコール類に該当します。

【試験の罠】
「同じ元素の単体で構造が異なるもの」は同素体(酸素とオゾン、ダイヤモンドと黒鉛など)であり、異性体とは別の概念です。この2つの言葉の入れ替えは頻出のひっかけです。
問83-9

エステルおよびエーテルに関する記述として、正しいものはどれか。

  • 酢酸エチルはエーテルであり、酢酸と水から合成される物質
  • ジエチルエーテルはエステルであり、水によく溶ける液体である
  • 酢酸エチルはエステルであり、酢酸とエタノールから合成される
  • エーテルは酸素を含まない炭化水素の一種で、非常に安定である
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正解 酢酸エチルはエステルであり、酢酸とエタノールから合成される
解説

カルボン酸とアルコールが反応し、水が取れて結合したものをエステルといいます。
酢酸(CH3COOH)+ エタノール(C2H5OH)→ 酢酸エチル(CH3COOC2H5)+ 水
酢酸エチルは果実のような芳香を持つ第1石油類(非水溶性)で、接着剤や塗料の溶剤として広く使われます。
一方エーテルは、酸素原子を2つの炭化水素基が挟んだ構造(R-O-R)を持つ化合物です。代表例のジエチルエーテルは特殊引火物で、引火点は約マイナス45℃と極めて低く、水にはわずかしか溶けません。

【試験の罠】
エステルとエーテルは名前が似ていますが別物です。またジエチルエーテルは「水に溶けにくい(非水溶性扱い)」であり、水溶性と決めつけると誤ります。エーテルは分子内に酸素を含みます。
問93-9

第4類危険物の物質名と、消防法上の品名の組み合わせとして、誤っているものはどれか。

  • アセトン ―――――― 第1石油類(水溶性液体)
  • トルエン ―――――― 第1石油類(非水溶性液体)
  • グリセリン ――――― 第3石油類(水溶性液体)
  • ジエチルエーテル ―― 第2石油類(非水溶性液体)
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正解 ジエチルエーテル ―― 第2石油類(非水溶性液体)
解説

特殊引火物とは、1気圧において発火点が100℃以下のもの、または引火点がマイナス20℃以下で沸点が40℃以下のものをいいます。ジエチルエーテルは引火点が約マイナス45℃、沸点が約35℃であり、この条件に該当するため特殊引火物です。ほかに二硫化炭素、アセトアルデヒド、酸化プロピレンが特殊引火物の代表例です。
他の選択肢は正しく、アセトンは第1石油類の水溶性液体、トルエンは第1石油類の非水溶性液体、グリセリンは第3石油類の水溶性液体です。

【試験の罠】
「エーテル」という名前から石油類に分類したくなりますが、沸点・引火点が極端に低いため最も危険な特殊引火物に区分されます。品名と物質名の組み合わせは頻出なので、代表物質は品名ごとに整理して覚えてください。
問103-9

第4類危険物の蒸気に関する化学的な記述として、誤っているものはどれか。

  • 蒸気の分子量が大きいものほど、蒸気比重は大きくなるとされている
  • 蒸気は無色のものが多く、目視では存在を確認しにくいとされている
  • 蒸気は空気と混合し、一定の濃度範囲で燃焼・爆発するとされている
  • 蒸気は分子量に関係なく、常に空気より軽く上方へ拡散するとされる
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正解 蒸気は分子量に関係なく、常に空気より軽く上方へ拡散するとされる
解説

蒸気比重は「その蒸気の分子量 ÷ 空気の平均分子量(29)」で求められます。第4類危険物は分子量が29を大きく超えるものがほとんどで、蒸気比重は1より大きくなります。
例えばガソリンの蒸気比重は約3〜4、二硫化炭素は分子量76なので76÷29=約2.6です。そのため蒸気は低い場所に流れて滞留し、離れた場所の火源で引火して火が戻ってくる(逆流火災)危険があります。換気設備の排出口を低所に設けるのはこのためです。
なお第4類の中で例外的に蒸気比重が小さいのは分子量32のメタノール(約1.1)ですが、これも1より大きく空気より重い点は変わりません。

【試験の罠】
「気体だから上に昇る」は誤りです。空気より重い蒸気は床面を這うように広がります。無色で見えないことと合わせて、換気と火気管理が重要になります。
危険物乙4の問題を続けて解く(全400問) 基礎的な物理学及び基礎的な化学の一問一答

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