2026年版・3-2

消火の理論の一問一答

危険物乙4「基礎的な物理学及び基礎的な化学」から、消火の理論に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-2

燃焼の三要素と消火方法の対応に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。<br>A. ガスコンロの元栓を閉じてガスの供給を止める行為は「除去消火」に該当する。<br>B. 燃焼している油の表面を泡消火剤で覆い尽くす行為は「窒息消火」に該当する。<br>C. 火災現場に大量の水を放射して燃焼物の温度を下げる行為は「抑制消火」に該当する。

  • AとBの組み合わせが正しい
  • BとCの組み合わせが正しい
  • AとCの組み合わせが正しい
  • A、B、Cすべての記述が正しい
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正解 AとBの組み合わせが正しい
解説
燃焼の三要素(可燃物・酸素・熱)を取り除く方法が消火の基本です。
Aは正しい:可燃物を物理的になくすのが「除去消火」です(山火事での木伐採など)。
Bは正しい:酸素を遮断するのが「窒息消火」です。
Cは誤り:水をかけて熱を奪うのは「冷却消火」です。抑制消火とは、ハロゲン化物や粉末消火剤を用いて、燃焼の連鎖反応を化学的に止める(負触媒作用)ことを指します。

【試験の罠】「抑制消火」と「冷却消火」の定義を入れ替えたダミー選択肢は定番中の定番です。
問23-2

水による消火(冷却消火)が極めて有効な理由として、物理学的に最も関連が深い水の性質はどれか。

  • 水の熱伝導率が他の液体に比べて非常に低く、断熱材として機能するため
  • 水の比熱および気化熱(蒸発熱)が非常に大きく、周囲から大量の熱を奪うため
  • 水が燃焼物と化学反応を起こし、不燃性ガスである二酸化炭素を発生させるため
  • 水の表面張力が非常に強く、燃焼物の表面を強力な被膜で覆うことができるため
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正解 水の比熱および気化熱(蒸発熱)が非常に大きく、周囲から大量の熱を奪うため
解説
比熱とは「物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量」のことです。水は比熱が極めて大きいため、自身の温度が上がるまでに大量の熱エネルギーを吸収します。さらに、水が沸騰して水蒸気になる際に奪う「気化熱(蒸発熱)」も全物質中でトップクラスです。この二つの特性により、燃焼物から一気に熱を奪い、引火点以下に冷却します。

【試験の罠】「水が化学反応を起こして消火する」等のダミーがありますが、水の消火は純粋な「物理作用(熱の移動)」です。
問33-2

第4類危険物(引火性液体)の火災に対して、一般的な棒状注水(水道のホース等から勢いよく水をかけること)が不適当とされる最大の理由はどれか。

  • 水が高温の油と急激に激しく化学反応を起こし、爆発性のある水素ガスを大量に発生させるおそれがあるため
  • 第4類危険物は水よりも比重が重いため、水が油の上に滞留してしまい冷却効果が得られないため
  • 第4類危険物は水より軽く非水溶性であるため、油が水に浮いて火災を周囲に拡大させるおそれがあるため
  • 水が急激に沸騰・蒸発することによって酸素が大量に供給され、燃焼をさらに促進する触媒となってしまうため
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正解 第4類危険物は水より軽く非水溶性であるため、油が水に浮いて火災を周囲に拡大させるおそれがあるため
解説
ガソリンや灯油などの多くは、比重が1より小さく(水より軽い)、かつ水に溶けません。ここに勢いよく水をかけると、水が油の底に入り込み、燃えている油を水面ごと上に持ち上げて溢れさせます。結果として、火のついた油が周囲に流れ出し、被害を劇的に拡大させてしまいます。

【試験の罠】油火災に水は厳禁。これは乙4試験において絶対に間違えてはならない最重要知識です。
問43-2

ハロゲン化物消火剤や粉末消火剤が持つ「負触媒作用(抑制作用)」のメカニズムとして、正しいものはどれか。

  • 燃焼物に強力な冷却効果を与え、一瞬にして発火点未満まで温度を急速に下げる作用
  • 燃焼の連鎖反応を担っている活性分子(ラジカル)と結合し、化学反応を強制的に停止させる作用
  • 可燃性の液体と激しく混ざり合うことによって不燃性の乳化層(エマルジョン)をも形成する作用
  • 空気中の酸素と化学的に結合し、燃焼エリアを真空状態に近い無酸素空間にする作用
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正解 燃焼の連鎖反応を担っている活性分子(ラジカル)と結合し、化学反応を強制的に停止させる作用
解説
燃焼は、可燃物から発生した活性分子(ラジカル)が次々と酸素と結びつく連鎖反応です。粉末消火剤の成分などは、このラジカルを素早く捕まえて安定化させ、炎の連鎖反応を瞬時にストップさせます。

【試験の罠】抑制作用は「化学的」な消火法です。炎を一瞬で消す力は強いですが、「冷却効果がない」ため、火が消えた後も可燃物が高温のままであり、再着火(再燃)しやすいという弱点があります。
問53-2

火災の種類(A・B・C火災)と適応する消火剤の組み合わせとして、誤っているものはいくつあるか。<br>A. B火災(油火災) ―――― 泡消火剤、二酸化炭素消火剤<br>B. C火災(電気火災) ――― 棒状の水、強化液消火剤(棒状)<br>C. A火災(普通火災) ――― 粉末(ABC)消火剤、水

  • 0つ(すべて正しい)
  • 1つ(誤りを含む)
  • 2つ(誤りを含む)
  • 3つ(すべて誤り)
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正解 1つ(誤りを含む)
解説

Aは正しい:ガソリンなどの油火災(B火災)には、窒息効果のある泡や二酸化炭素が適しています。
Bは誤り:通電中の電気設備火災(C火災)に対して、電気を通す「棒状の水」「棒状の強化液」を使用すると、消火者が感電する危険があるため絶対に使用してはいけません(霧状なら適応可能)。
Cは正しい:木材などの普通火災(A火災)には、冷却効果のある水や、浸透性のある粉末ABCが適しています。

【試験の罠】電気火災に対する「導電性の有無」は必ず出題されます。
問63-2

アルコール類やアセトンなど「水溶性の第4類危険物」の火災に対して、通常の泡消火剤を使用した場合に起こる現象として、正しいものはどれか。

  • 泡が油面全体を強固に覆い尽くし、通常の油火災よりも迅速に消火される
  • アルコールが泡の水分を奪い取って泡を破壊するため、消火効果が得られない
  • 泡とアルコールが激しく反応して可燃性のガスが発生し、爆発の危険が高まる
  • 泡が急激に凍結して固体化することによって、燃焼面を冷却して消火される
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正解 アルコールが泡の水分を奪い取って泡を破壊するため、消火効果が得られない
解説
一般的な泡消火剤は、非水溶性の油(ガソリン等)の上に浮かぶように作られています。しかし、アルコール類やアセトンなどの「水に溶ける液体」は、水を引っ張る力(親水性)が強く、泡の膜から水分を奪い取って泡を壊してしまいます。そのため、酸素を遮断する膜を作ることができません。

【試験の罠】水溶性液体の火災には、泡が壊れないように特殊な化学加工が施された「耐アルコール泡消火剤(水溶性液体用泡消火剤)」を使わなければならない点は、実技試験レベルの超重要知識です。
問73-2

二酸化炭素消火剤の特性と使用上の注意点に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • 空気よりも比重が大きいため、燃焼物の表面や低い場所に滞留して窒息効果を発揮する
  • 電気を通さない性質(絶縁性)があるため、電気火災(C火災)に有効である
  • 放射後に汚損が全く残らないため、美術館やコンピュータ室等の消火に適しているとされる
  • 人体に対して無害であるため、地下室等の狭小な閉鎖空間でも退避せずに安全に使用できる
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正解 人体に対して無害であるため、地下室等の狭小な閉鎖空間でも退避せずに安全に使用できる
解説
二酸化炭素(CO2)自体には強い毒性はありませんが、消火に必要な濃度(空気中の酸素濃度を15%以下に下げる)になると、人間にとっても呼吸ができなくなり窒息死します。特に地下室等の換気の悪い場所で放射すると、空気より重いCO2が滞留し、避難遅れによる死亡事故につながります。

【試験の罠】消火設備として優秀である一方、人命に関わる重大なリスクがあることは頻出のポイントです。
問83-2

粉末消火剤(ABC消火器)の主成分である「リン酸塩類(リン酸二水素アンモニウム等)」の特徴として、正しいものはどれか。

  • B火災(油)専用の消火剤であるため、A火災(普通)やC火災(電気)には使用できない
  • 消火後の汚損が全くないという理由から、精密機械を扱う工場などで優先的に採用されている
  • 抑制作用による瞬時の消火効果に加え、熱で溶けてガラス状の膜を作り再燃を防ぐ効果がある
  • 水と十分に混合させながら使用することで、化学反応により強力な泡を発生させる主剤である
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正解 抑制作用による瞬時の消火効果に加え、熱で溶けてガラス状の膜を作り再燃を防ぐ効果がある
解説
ピンク色の粉末である「リン酸塩類(リン酸二水素アンモニウム)」は、抑制作用により油や電気火災を素早く消すだけでなく、高温の木材等に触れると溶けてガラス状の膜(防炎被膜)を形成し、酸素を遮断してA火災(普通火災)の再発火を防ぎます。これが「ABC(万能)」と呼ばれる理由です。

【試験の罠】微細な粉末が部屋中に広がるため「汚損が全くない」は誤りです。精密機器にかかるとショートや故障の原因になります。
問93-2

注水による消火を行う際、水を棒状(ストレート)ではなく、極めて細かい「霧状(ミスト)」にして放射する利点として、誤っているものはどれか。

  • 水滴一粒あたりの表面積が飛躍的に大きくなるため、冷却の効果が大幅に向上するとされる
  • 水滴が熱で一気に蒸発して体積が急激に膨張し、周囲の酸素を追い出す窒息効果が得られる
  • 水滴が連続していないため電気を通しにくくなり、電気火災(いわゆるC火災)にも適応可能になる
  • 水が油の底にまで完全に沈み込んでから一気に突沸するため、重質油の消火において最適である
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正解 水が油の底にまで完全に沈み込んでから一気に突沸するため、重質油の消火において最適である
解説
霧状注水(噴霧注水)の最大の利点は、油面を叩き割らずに表面で優しく蒸発するため、油を跳ね飛ばさず、かつ電気火災にも使えるようになることです。
選択肢4のような「突沸(急激な沸騰による爆発的な飛散)」を起こさせることは、火災を激しく拡大させる最悪の事態であり、絶対に避けるべき現象です。

【試験の罠】霧状注水は第4類(油火災)に対して「一定の条件下で有効」とされますが、決して突沸を利用するわけではありません。
問103-2

消火の三要素(冷却、窒息、除去)の具体例に関する組み合わせとして、完全に正しいものはどれか。

  • 冷却消火 = 水をかける / 窒息消火 = 泡で覆う / 除去消火 = 可燃物を移動させる
  • 冷却消火 = 粉末をかける / 窒息消火 = ハロゲンを放射する / 除去消火 = ガス栓を閉める
  • 冷却消火 = 風を吹き付ける / 窒息消火 = 水をかける / 除去消火 = 砂をかける
  • 冷却消火 = ガス栓を閉める / 窒息消火 = 砂をかける / 除去消火 = 泡で覆う
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正解 冷却消火 = 水をかける / 窒息消火 = 泡で覆う / 除去消火 = 可燃物を移動させる
解説

・冷却消火:水などをかけて熱を奪い、引火点以下に下げる。
・窒息消火:泡、砂、不燃性布、二酸化炭素などで酸素を遮断する。
・除去消火:ガスの元栓を閉める、燃え広がる先の木を切り倒すなど、可燃物そのものを無くす。
・抑制消火:ハロゲンや粉末で化学反応を止める(第四の消火法)。

【試験の罠】粉末やハロゲンは「抑制消火」であり、冷却消火ではありません。それぞれの消火原理を正しくマッピングできるかが問われます。
危険物乙4の問題を続けて解く(全400問) 基礎的な物理学及び基礎的な化学の一問一答

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